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戸塚駅から1分の内科・外科クリニック。若杉診療所です。

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雑感

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2016年3月13日(日)
大震災から5年、あの日の診療を忘れない

東日本大震災から1年経過した2012年7月、連休を利用して南三陸町に出かけた。震災の惨禍はTVの映像で脳裏に焼き付いているが、千年に1度と言われている災害の重さを肌で感じることができずにいた。鉄骨がむき出しの防災対策庁舎は南三陸町の災害の象徴となっていて5年経過した2日前のニュースでも取り上げれれていた。高台にある「さんさん商店街」に立ち寄った。現地に行かなければ風とか温度とか湿気のような、肌から入る情報は得られないと痛感した。

2016年3月6日(日)
最後の握手

家族葬を終えたばかりの患者さんのお宅を訪問した。「ほんの少し前まで子供達もいたんですよ」と奥さんが言った。御主人の主治医になって10年が経過していた。写真の彼は元気で微笑んでいる。2週間前、入院することになった病院の外来で握手したのが最後の彼の温もりだった。今日はいつもより奥さんが小さく見えました。あまり眠れていないのでしょう。御体を御大事にお願いします。最期まで主治医でいられなくて本当に申し訳ありませんでした。

2016年2月28日(日)
2隻の舟

脳出血後遺症の四肢麻痺で、喉には呼吸のためのお腹には栄養注入のための管が入っている患者さんの在宅治療を10年続けてきた。意識はしっかりしているのでアイコンタクトで患者さんと意思の疎通をとることができた。10年休むことなく2週間に1回訪問してきた患者さんは60歳を超えた。2週間前にお腹の管の交換のため入院していたが、急逝したと午前9時に奥さんから連絡をいただき自宅に伺った。自宅に戻った彼は2週間前と同じだった。声をかけたら目を開くのではないかと思えたが額の冷たさが現実だった。「悲しいのに涙がでないんですよ。不思議ですね」と微笑んで奥様は言います。まだ8時間しか経っていません、実感がなくても当然です。賢くて強く、そして健気に夫を介護し心から夫を愛していた奥さんでした。僕は御夫婦に会えたこと、感謝しています。

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