開院時のあいさつより:
平成16年5月まで国立病院横浜医療センター外科に勤務しておりました。患者さんが増えるにつれ日々の外来診療が多忙になって、朝から夕方まで昼食も取らずに診療続けて、やっと外来が終わる日々でした。外来診療は紹介いただいた患者さんの診療や術後の患者さんの診療、抗がん剤の点滴治療、セカンドオピニオン、外来小手術・処置など多岐にわたります。私としては一人ひとりの患者さんとゆっくり話す姿勢で診療に従事しておりましたが、患者さんのほうが私に気を遣って聞きたいことも聞かずに帰宅しているように思えてなりませんでした。患者さんの話を十分に聞いて、納得のいく説明をして丁寧な診療をしたいとずっと思っていました。大病院は3時間待って3分診療とよく言われます。どんなに良い先生でも時間にゆとりがなければ、診療が粗くなるでしょう。患者さんがほっとするような優しい診療所で、大病院に劣らない診療内容を提供して、一人ひとりの患者さんと人間的なお付き合いを末永く続けていけるように「若杉診療所」を開設しました。患者さんと時間をかけて、信頼される「家庭医」になれたら嬉しいです。
もうすぐ日本は人類が経験したことのないスピードで超高齢化社会に突入します。そして遅かれ早かれ誰でも終末期を迎えるようになります。では幸せな終末期って何でしょう?人によって答えは違うでしょうが、「食べて・飲んで・出して・笑えること」ではないでしょうか。
そのためにはなんでも相談できる「家庭医」を持つことです。しかし最初から「家庭医」という医師はいません。「家庭医」を標榜しているクリニックもありません。患者さんとお医者さんが時間をかけて作り上げていくのが「家庭医」だと思います。自分だけが診てもらっている「かかりつけ医」ではなく、自分の家族みんなが何でも相談できる「家庭医」を目指し、目標にして日々の診療をしています。